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"暴力装置"ねぇ・・・

N氏「政治かじってたよね?ヴェーバー読んだよね?"暴力装置"の出典知ってる?」
私「シラネーヨ」
N氏「暇なとき調べといて!」

Nを恨むべきか,官房長官を恨むべきか,出典なしで書いてるwikipediaを恨むべきか・・・.
いつも人に対してやってることなので頼まれたからって恨むのはアレだろう.
また,wikipediaはいい加減だけど便利なので,これを恨むのもアレだ.
そうすると,いい大人が公衆の面前で,センシティブな自衛隊を指して"暴力装置"って言っちゃったのを恨むしかないな,うん.

紙媒体を分解せずにスキャンできる超絶便利道具作ったら,あらゆる方面へ馬鹿売れ確実だよなぁ・・・なんて思いながら,ザッと関係ありそうなのを見てみた.
文字通り"暴力装置"ってのは見つからない.
手持ちでそれっぽいのは,「職業としての政治」の始めのほうに書いてある以下の部分.

近代国家とは,ある領域の内部で,支配手段としての正当な物理的暴力行使の独占に成功したアンシュタルト的な支配団代であること.
ヴェーバー「職業としての政治」18ページ 岩波文庫 ISBN:4-00-342097-7

妙な切れ方なのは,3つの特徴を列挙してる1つ目だから.
"アンシュタルト"は,意思とは無関係に客観的に参加が義務付けられる団体で,合理的に形成された法秩序があり,それが強制力によって担保されているものを指すらしい.
この"アンシュタルト"の注で強制装置によって担保という書き方がされているので,"暴力装置"って用語がある可能性はありそう.
内容的には上記の部分が「支配の社会学」で詳しく書かれていたと思うので,"暴力装置"って言葉があるのなら,多分それに書いてあるだろう.
しかし,2分冊で3500*2でちょっと高いのでお金のあるときに買うのを渋った結果,結局それを持っていない.

○○装置って言い回しは,主体の意思から離れた機械を連想させ,必要以上に客観化してる感じで,なんかステキ.
どこにもそんな装置がなくて,非合理なあれやこれが介在するのがとっても悲しいので,憧れすら感じる.
「職業としての政治」は,ヴェーバーの学生向け講演をまとめたもので,これだけ読んでも分からないことも多いがそれなりに楽しく読める+薄いので,暇つぶしにオススメ.
で,この本のあとがきに訳者が,現に政治を本業とされている「政治家」の方々にも,できれば「君主論」と並べて読んでいただければと願っている(※)と書いている.
なので,1回読んでください,お願いします.

※"方々にも"と書いてあるのは政治を学び始める人にまず読んで欲しいと書いてあって,それに続けて政治家が挙げてあるから.

・追記
電子化されてるの片っ端から探してたら↓に書いてあったし!
ttp://redmole.m78.com/bunko/kisobunken/kokkaku2.html
読んだことないけど,レーニンの「国家と革命」.
あの官房長官は学生運動やってたみたいなので,口が滑ったの・・・か・・・?
by ssor | 2010-11-20 01:41
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